師匠からの遺言


私には4人の師匠がいます。

どの師匠も素晴らしく未だに追いつくことが出来ません。

その4人の師匠の内の一人、
麟誠鍼療院の院長、土田裕三先生から生前に言われた忘れられない一言があります。

ある日、麟誠鍼療院の忘年会の会場まで、従業員全員でタクシーで行くことになりました。

『多田さんは私と乗ろう』と師匠から言われ、師匠と二人でタクシーに乗ることになりました。

そのタクシーの中で師匠は私に、

『多田さんね、我々の仕事は汚い仕事なんだよ。

痛い痛いって困っている人からお金を取る仕事なんだ。

しかし我々も生活して行かなければならないので、治療費を“ただ”にする訳にはいかない。

だからね多田さん、これだけは覚えておいて。

治療費は必要以上には絶対に高くしてはいけないよ。』


土田先生からは様々なことを教えて頂きましたが、中でもこの言葉は師匠からの遺言のように頭から離れません。

患者さんからは、『ここの治療費安くないですか??』って言われることもある反面、『本当は毎週来たいんだけど月一回来るのがやっとです…。』って言われることも少なくありません。

実際、治療1回受ければ新米のお米5kgが一袋買えるかと思うと決して安い金額とは思えません。

師匠の遺言を守るにはどうすればいいのか…?

それは、

“出来る限り早く患者さんを治す!”

この言葉に尽きます。

これからも、師匠の遺言を守るために常に精進し、高みを目指して頑張るのみだと思っています!


追伸
ロンドンでイギリス人相手に鍼灸治療を頑張っている息子から定期的に治療の刺激になるLINEが送られて来ます。
還暦を迎えても昔と変わらないテンションで治療が出来ているのは、決して楽ではない外国で、自分の“夢”に向かって一生懸命に頑張っている子どもたちのお陰だと思っています。
二人からは、ほんとたくさんの刺激を貰っています。
感謝!感謝!です。