腰痛(脳DLPFC編)

今回は腰痛(脳DLPFC編)です。

DLPFC(背外側前頭前野)を聞いたことのある人はほとんどいないと思います。

脳の奥にある扁桃体という場所は人間のネガティブな感情(不安、恐怖、悲しみなど)を出す場所でその中には痛みも含みます。

その扁桃体の暴走を抑える役目をしているのがDLPFCです。

簡単に言うと扁桃体がアクセルで、DLPFCがブレーキの役目をしています。

7年くらい前だったか、アメリカ?であらゆる検査をしても異常が見つからない慢性腰痛の方々の脳を調べた結果、殆どの人にDLPFCの機能低下又は萎縮が見られたのです。

アメリカ在住で、ハーバード大学で医師たちに鍼灸を教えている松本岐子氏は、鍼でDLPFCの機能を活性化させる治療を考えました。

今回コロナ禍で、通常の腰痛治療では結果が出難い患者さんに松本岐子氏のDLPFC治療が著効を示すケースがかなりあります。

コロナ禍でなぜその様なケースが急増したかは大体察しがついていますがここでは割愛します。

ここで簡単ではありますが一つの症例を紹介致します。

70歳男性
もともと慢性腰痛あり。
前屈みが痛いだけでなく椅子から立つ時もすぐに立てない状態。
一般的な腰痛治療を2〜3回しましたが直後は良くてもすぐ戻ってしまう状態。
そこでDLPFC治療に切り替えました。
DLPFCに鍼を刺し(他にも基本治療はしています)30分間刺激しました。
その後、前屈をしてもらうと今までの中で一番楽になったと言っています。
帰りの靴を履く時も楽になり1週間後も効果は持続していました。
その後はDLPFCと腰痛治療を併用して、その後、九州まで車を運転して旅行をしても腰は平気だったそうです。


腰痛というのはレントゲンやMRIで全ての原因が分かるほど単純な病気ではありません。

今なかなか治らない腰痛を患っていたとしても諦めないでください。

日本には鍼灸の流派が沢山あり、それぞれが素晴らしい効果を挙げています。

欧米でも日本の鍼灸に対しての評価はかなり高いです。

現状維持などと諦める前に、お近くの鍼灸院で鍼灸治療を試してみてください。

試す価値は大いにあると思いますよ!

次回のシリーズ腰痛は“冷え性編”です。
お楽しみに!